解説

フラグとセッションとサーチモードについて

Gen2のフラグ/セッション/サーチモードをやさしく解説

7分で読めます
フラグとセッションとサーチモードについて

この記事の要約

EPC GEN2規格のセッション管理は、複数リーダー環境やタグの重複応答を制御する重要な仕組みです。本記事では、4つのセッション(S0~S3)の違い、インベントリフラグとパーシスタンスの働き、サーチモードとの最適な組み合わせについて解説します。

この記事で分かること

  • EPC GEN2の4つのセッション(S0~S3)の特性と違い
  • インベントリフラグAとBの動作メカニズム
  • パーシスタンス時間と各セッションの仕様
  • サーチモードとの組み合わせによる読取性能の最適化

EPC GEN2規格における設定の重要性

RFIDリーダーにはさまざまな設定オプションがありますが、その中でもセッションとサーチモードはタグの応答タイミングや同時通信の制御に大きく関わる重要な要素です。これらを正しく理解し、最適な設定を選択することでRFIDシステムの性能を引き上げることができます。

EPC GEN2セッションとは?

最大4つのセッション(S0、S1、S2、S3)が定義されており、タグがリーダーからのクエリに応答する際の状態管理を行います。複数リーダーが同時に稼働する場合でも、各タグが独立した状態を維持できるようにするのがセッションの役割です。インベントリでのクエリ応答を管理する"枠"と考えると分かりやすいでしょう。

フラグとは?

タグはセッションごとにインベントリフラグ(Flag AとFlag B)を持ち、初期状態は常に「A」にセットされます。リーダーからのインベントリ後に「B」に変化し、その後「A」に戻るまでの時間をパーシスタンスと呼びます。このフラグ変化によって、タグが重複応答を防いだり、読取精度を調整したりします。

パーシスタンスとは?

タグが「A」から「B」に移行してからどの程度「B」を維持するかを示す指標がパーシスタンスです。ユーザーが直接設定するのではなく、セッションやサーチモードとの組み合わせから結果的に決定されます。

セッションの詳細

以下の表は、EPC GEN2規格に基づく4つのセッション(S0、S1、S2、S3)での主なパーシスタンス時間の目安です。

EPC GEN2セッション仕様
フラグ 設定時間 必要なパーシスタンス
S0 インベントリフラグ 初期値・最終値にかかわらず2ms以下 タグが通電:無期限<br>タグが非通電:なし
S1 インベントリフラグ 初期値・最終値にかかわらず2ms以下 タグが通電:<br>公称温度範囲:500ms < パーシスタンス < 5s<br>拡張温度範囲:指定なし<br>タグが非通電:<br>公称温度範囲:500ms < パーシスタンス < 5s<br>拡張温度範囲:規定なし
S2 インベントリフラグ 初期値・最終値にかかわらず2ms以下 タグが通電:不定<br>タグが非通電:<br>公称温度範囲:2s< パーシスタンス<br>拡張温度範囲:指定なし
S3 インベントリフラグ 初期値・最終値にかかわらず2ms以下 タグが通電:不定<br>タグが非通電:<br>公称温度範囲:2s< パーシスタンス<br>拡張温度範囲:指定なし

セッション0(S0)では、フラグAからBへ移行後、リーダーの電波を受けている間はBを維持し、電波が途切れるとAに戻ります。一方、セッション1(S1)ではBへ移行した後、通電状態かどうかにかかわらず、500ms~5sの範囲でAへ戻ります。セッション2(S2)および3(S3)は電波を受けている間はBを維持し、非通電状態で2秒以上経過した後にAへ戻る仕様となっています(上限は明示されていません)。

サーチモードとは?

サーチモードは、タグがフラグの状態をどのように認識し、応答するかを制御するモードです。継続的にタグを読み取る、複数のリーダーで同時に読み取る、大量タグの高速読取など、利用シーンに合わせてサーチモードを選択することで読取り性能が最適化されます。

最適な設定の組み合わせ

RFIDを活用する現場では、用途ごとにセッションとサーチモードの最適な組み合わせを選択することが重要です。たとえば、スマートシェルフのように継続的にタグを読み取る場合や、多数のリーダーを並行運用する場合、高速で大量のタグを読み取るケースなど、それぞれに合った組み合わせを選ぶことで読み取り効率を向上できます。

最適化のポイント

  • セッション設定の見直し:適切なセッション選択
  • フラグ維持時間(パーシスタンス)の理解:複数リーダー運用時の設定
  • サーチモードの最適化:大量タグ読取時の調整

FAQRFIDセッション管理に関するよくある質問

RFIDのセッションとは何ですか?
EPC GEN2規格で定義された4つの状態管理枠(S0〜S3)のことです。タグがリーダーからのクエリに応答する際の状態を管理し、複数リーダー環境での独立した動作を可能にします。
インベントリフラグAとBの違いは何ですか?
タグは初期状態でフラグAを持ち、リーダーに読み取られるとBに変化します。Bの状態ではそのセッションのクエリに応答しなくなり、重複読み取りを防ぎます。
パーシスタンスとは何ですか?
タグがフラグBからAに戻るまでの時間を指します。セッションによって異なり、S0は電波が途切れると即座に戻り、S2/S3は2秒以上維持されます。
どのセッションを選べばよいですか?
継続的な読み取りにはS0、複数リーダー環境ではS2またはS3が適しています。サーチモードとの組み合わせで最適化できます。

お問い合わせ

当社や商品に関することなど、お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせフォームページに移動します。RFID機器、自動認識システム、ソフトウェア開発に関するご相談を承っております。

よくある質問ページに移動します。一般的なお問い合わせ内容とその回答をご覧いただけます。