リーダーモードが重要な理由
リーダーモードとは、RFIDリーダーとタグ間の無線データ伝送方式を設定する仕組みのことです。通信速度や干渉耐性を最適化するために、変調方式やエンコード方式を適切に選択する必要があります。 変調方式が高度になるほど干渉耐性が向上しますが、一方で通信速度は低下しやすいため、使用する環境に合わせたバランス調整が大切です。
変調方式と読取性能の関係
変調方式(Millerの値など)はビットごとの変調回数を示します。たとえばMiller8は1ビットあたりの変調数が多く、通信速度は落ちますが干渉耐性が向上します。逆にFM0は最速ですが、干渉には弱くなります。
変調方式と読取性能の関係
FM0は最速ですが干渉に弱く、Miller値が高くなるほど干渉耐性は向上しますが通信速度は低下します。用途に応じて適切な変調方式を選択することが重要です。
Speedway RAIN RFIDの主要リーダーモード
Impinj Speedwayシリーズでは、以下のようなリーダーモードが用意されています。
| モード | 名称 | タイプ | エンコーディング | 特長 |
|---|---|---|---|---|
| Max Throughput | 標準 | FM0 | 最大のデータレートを実現。ただし干渉に弱い。 | |
| 1 | Hybrid | 標準 | Miller2 | FM0より干渉耐性が高い。 |
| 2 | Dense Reader M4 | 標準 | Miller4 | 読取性能と干渉耐性のバランスに優れる。 |
| 3 | Dense Reader M8 | 標準 | Miller8 | 標準モードの中で最も干渉に強い。 |
| 4 | Max Miller | 標準 | Miller4 | 複数リーダーが存在する環境でも高い読取率を維持。 |
| 5 | Dense Reader M4 Two | 標準 | Miller4 | 干渉耐性と高速フォワードリンクを両立。 |
| 1000 | AutoSet Dense Reader | Impinj独自 | 多種 | RF環境を分析してリーダーモードを自動調整。特許取得済み。 |
| 1002 | AutoSet DenseReader DeepScan | Impinj独自 | 多種 | 高速モードとDRMの組合せでユニークタグ読取数を最大化。 |
| 1003 | AutoSet Static Fast | Impinj独自 | 多種 | 良好なRF環境用に最適化し、高速モードのみを組合せ。 |
| 1004 | AutoSet Static Dense Reader | Impinj独自 | 多種 | 厳しいRF環境に合わせてDRMのみを組合せ。 |
| 1005 | Impinj内部使用 | Impinj独自 | 多種 | 一般的には使用しない。 |
モード選択のポイント
基本的な選択指針
AutoSet Static(1002)はImpinjリーダーやゲートウェイのデフォルトモードとなっており、多くの場合これで十分です。 より高いスループットが必要な場合は、AutoSet Static Fast、AutoSet Static DRM、MaxMiller、DRM8、DRM4、Hybridの順で試してみましょう。最終的にMaxThroughputは、無響室など干渉の少ない特殊環境下でしか推奨されません。
最適化のためのヒント
- サイトサーベイを行う:RFスペクトルのノイズや干渉を分析する
- 実環境でテスト:複数のリーダーモードをテストし、読取率とユニークタグ数を比較する
- 干渉耐性を優先:複数リーダーを同時運用する場合は、干渉耐性を優先させる