ノウハウ

Impinj R700のリーダーモードと最適化

R700を最速で安定化:実運用のベスト設定

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Impinj R700のリーダーモードと最適化

この記事の要約

Impinj R700リーダーの多彩なリーダーモードと最新のGen2X パフォーマンスについて解説します。LLRPモード、スタティックリーダーモード、5000番台のAutosetモードの特徴を詳しく紹介し、M800シリーズタグとの組み合わせによる感度・読み取り距離の向上方法を説明します。

この記事で分かること

  • LLRPモード(0〜5)とスタティックリーダーモード(3桁)の違いと特徴
  • Autosetモード(100x/11xx/12xx/13xx/5000番台)の自動切り替え機能
  • Gen2X パフォーマンス対応の5000番台モードとM800シリーズタグの活用
  • 変調パラメータ(TARI、PIE、BLF、M、DR)の詳細と最適化
  • ユースケース別の最適なモード選択とパフォーマンス向上のポイント

Impinj R700リーダー:リーダーモードの特徴

Impinj R700リーダーは、多彩なリーダーモードを活用することで様々な使用環境やユースケースに対応する高性能なRAIN RFIDリーダーです。
一般的には従来のLLRPモード(0~5)やAutosetモード(100x番台)に加え、新しい3桁のスタティックリーダーモードが利用できます。これらのモード選択により、読み取り速度や感度、干渉耐性を最適に調整できます。

LLRP リーダーモード

LLRP リーダーモードはモードインデックス(0~5)で識別され、Max Throughput、Hybrid、Dense Reader M4/M8、Max Miller といった名称で参照されます。

スタティックリーダーモード

スタティックリーダーモードは、新しい3桁のモード番号で識別され、先頭2桁はリーダーモードに関する基本情報を示します。これら新しいスタティックリーダーモードの一部は、既存の LLRP モードにマッピングされます。

Autosetモード

Autosetモードでは、リーダーが複数のリーダーモードを自動的に切り替えて動作します。
この自動切り替えによって、特定のモードの長所を組み合わせつつ、環境変化や使用状況に合わせた柔軟な運用が可能となります。

Autosetモードの番号と概要

  • 100x番台:従来からのLLRPリーダーモードを利用するAutoset
  • 11xx / 12xx / 13xx番台:3桁のスタティックリーダーモードをベースにしたAutoset。モードインデックスの2桁目で地域を区別
  • 5000番台:Impinj Gen2X パフォーマンスを利用する最新Autoset(ファームウェア8.4以降対応)

Impinj Gen2X パフォーマンスをサポートするAutosetモード(5000番台)

ファームウェアバージョン8.4以降では、Impinjの新しいGen2X パフォーマンスを活用できるAutosetモードが5000番台として追加されました。
Gen2X パフォーマンスにより、リーダーの感度とタグの読み取り距離が向上し、在庫処理(インベントリ速度)やタグ通信エラーの低減が期待できます。

5000番台のAutosetモードでは、Gen2Xに対応したリンクパラメータとGen2v2のリンクパラメータを交互に切り替える仕様です。これにより、Gen2Xの拡張性能を活かしながら、従来のGen2v2タグとの互換性も確保します。

  • Gen2Xをサポートするタグチップは現状Impinj M800シリーズのみ
  • 全タグのうち少なくとも20%がM800シリーズを使用している場合にAutosetモードの利用がおすすめ
  • タグポピュレーションにおけるM800シリーズの割合が高いほど、インベントリ速度や感度の向上効果が大きい

LLRPモードのパフォーマンス

従来からあるLLRPモードでは、たとえばモード0(Max Throughput)は最高の読み取り速度を誇る一方で感度は低めです。反対にモード3(Dense Reader M8)は非常に高い感度・干渉耐性を備える反面、読み取り速度が低下します。
以下の表は、LLRPモードと新しいスタティックリーダーモードの対応関係を示しています。

LLRPとスタティックリーダーのモードマッピング
LLRPモード 日本スタティックリーダーモード
モード0 – Max Throughput 204
モード1 – Hybrid 227
モード2 – Dense Reader M4 246
モード3 – Dense Reader M8 290
モード4 – Max Miller N/A
モード5 – Max Miller 245
モード1000 – Autoset 非対応
モード1002 – Autoset Dense Reader Deep Scan 1210 [201,242,240,284]
モード1003 – Autoset Static Fast 1211 [201,242]
モード1004 – Autoset Static Dense Reader 1212 [240,284]

このように、LLRPモードとスタティックリーダーモードそれぞれの特性を把握し、ユースケースに合致した設定を選択することで、リーダーのパフォーマンスを最大化できます。

スタティックリーダーモードの詳細

新しい3桁のスタティックリーダーモードは、従来のLLRPモードよりも細かいパラメータ調整が可能です。以下の一覧に、各スタティックリーダーモードと主な変調パラメータを示します。

Impinj スタティックリーダーモード (日本版リーダー)

スタティックリーダーモードと、それに対応する変調パラメータの一覧

Impinj スタティックリーダーモード(日本版)
スタティックリーダーモード Fwd Modulation TARI PIE BLF M DR
204 PR-ASK 15.625 2 320 1 64/3
227 PR-ASK 15.625 2 320 2 64/3
246 PR-ASK 15.625 2 426 4 64/3
247 PR-ASK 15.625 2 320 4 64/3
288 PR-ASK 15.625 2 320 8 64/3
289 PR-ASK 15.625 2 160 8 8

ユースケースに応じて最適な組み合わせを選ぶことで、干渉耐性や読み取り速度を大きく向上できます。
例えば在庫管理のように大量のタグを一気に読み取りたい場合は、読み取り速度を優先するモードを選択すると効果的です。

Impinj R700リーダーは、その高性能と信頼性により、多くの業界でRAIN RFIDデプロイメントのニーズを満たすための優れた選択肢となっています。

FAQImpinj R700リーダーモードに関するよくある質問

Impinj R700のリーダーモードとは何ですか?
R700リーダーで使用できる通信設定のことで、LLRPモード(0〜5)、スタティックリーダーモード(3桁)、Autosetモード(100x/11xx/5000番台など)があります。用途に応じて読み取り速度や感度を最適化できます。
Gen2X パフォーマンスとは何ですか?
Impinjの最新技術で、リーダーの感度とタグの読み取り距離を向上させます。ファームウェア8.4以降でサポートされ、5000番台のAutosetモードで利用可能です。
5000番台のAutosetモードを使うメリットは?
Gen2X対応タグ(M800シリーズ)とGen2v2タグを自動で切り替え、両方の互換性を保ちながら最高のパフォーマンスを発揮します。M800シリーズが20%以上の環境で効果的です。
どのリーダーモードを選べばよいですか?
大量タグの高速読み取りにはMax Throughput(モード0)、干渉が多い環境にはDense Reader M8(モード3)、M800タグ混在環境には5000番台のAutosetモードが適しています。

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