RFID 選定ツール / UHF 920MHz パッシブタグ

RFID 読取距離シミュレーター

リーダー出力・ケーブル損失・アンテナ利得・タグ IC 感度から、推定読取距離をリンクバジェット(Friis 伝達式)で計算します。

条件を入力

日本の電波法区分(出力上限のチェック)

リーダー
dBm
dBm

例: Impinj R700 は typical −93 dBm(自社製品ページ掲載値)。既定値 −90 dBm は仮定値です。機種のデータシート値に置き換えてください。

ケーブル・接続損失
dB/m

使用するケーブルのデータシートにある 920 MHz 付近の減衰量を入力してください(dB/100ft の値は 30.48 で割ると dB/m)。既定値 0.25 dB/m は仮定値です。

m
dB
リーダーアンテナ
dB

円偏波アンテナ × 直線偏波タグ: 3 dB / 偏波が一致: 0 dB

タグ
dBm

dBi

目安(仮定値): ダイポール系インレイ 1 dBi 前後。小型・金属対応タグは 0 dBi 未満のことが多い。タグのデータシート値があればそれを優先。

dB

後方リンク(タグ → リーダー)の計算に使います。既定 6 dB は仮定値です。

周波数・環境
MHz
dB

環境のプリセット値は当社の仮定値(目安)です。実際の値は現地 PoC で確認してください。

リンク収支を表示する距離
m

計算結果

推定読取距離(前方・後方の短い方)

–m

前方リンク限界(タグ起動)
– m
後方リンク限界(反射受信)
– m
EIRP(ケーブル損失差引後)
–
ケーブル等の損失合計
– dB
波長 λ
– m
1m での自由空間損失
– dB
前方リンク収支(リーダー → タグ)
後方リンク収支(タグ → リーダー)

リーダー出力と推定読取距離

推定読取距離 前方リンク限界 後方リンク限界 選択した区分の上限を超える出力

このツールの結果は、見通しの良い条件を前提にした理論上の推定値です。読取距離を保証するものではありません。タグの貼付面(金属・液体)、タグの向き、反射や遮へい、他のリーダーとの干渉で大きく変わります。導入前に、実際の現場・実際のタグでの読取試験(PoC)をおすすめします。

計算の根拠

1. 前方リンク(リーダー → タグ):Friis 伝達式

パッシブタグは、リーダーから届いた電波の電力で IC が起動します。タグに届く電力が IC の読取感度以上であれば応答できます。自由空間では Friis 伝達式で計算します。

Ptag = Pt − Lc + Gt + Gtag − Lpol − Lenv − PL(d)

PL(d) = 20·log10(4π / λ) + 10·n·log10(d) (n = 2 のとき自由空間損失 20·log10(4πd/λ) に一致)

d前方 = 10 ^ { ( Pt − Lc + Gt + Gtag − Lpol − Lenv − Stag − PL1m ) / (10·n) }

2. 後方リンク(タグ → リーダー):反射波の往復

タグはリーダーの電波を反射(後方散乱)して応答します。電波は往復するため、ケーブル・アンテナ・経路の各項が 2 回かかります。リーダーに戻る電力が受信感度以上であれば読み取れます。

Prx = Pt − 2Lc + 2Gt + 2Gtag − 2Lpol − 2Lenv − Lbs − 2·PL(d)

d後方 = 10 ^ { ( (Pt − 2Lc + 2Gt + 2Gtag − 2Lpol − 2Lenv − Lbs − Sreader) / 2 − PL1m ) / (10·n) }

推定読取距離は d前方 と d後方 の短い方です。受信感度の高いリーダーでは前方リンク(タグの起動)が距離を決めることが多く、受信感度が低い(数値が大きい)リーダーや損失の大きいケーブルでは後方リンクが距離を決めることがあります。

3. 変数の説明

記号意味このツールでの扱い
Ptリーダー出力(空中線電力)dBm。mW = 10^(dBm/10)
Lcケーブル・コネクタ等の損失ケーブル長 × 1m あたり損失 + 追加損失
Gtリーダーアンテナ利得dBi。dBd で入力した場合は dBi = dBd + 2.15
Gtagタグアンテナ利得dBi
Lpol偏波損失(片道)円偏波 × 直線偏波で 3 dB
Lenv, n環境による追加損失(片道)と経路損失指数基準距離 1 m の対数距離モデル。n = 2 が自由空間。
Lbsタグの反射(変調)損失後方リンクのみ。既定 6 dB は仮定値
Stagタグ IC の読取感度IC メーカーの公開値(下表)
Sreaderリーダー受信感度リーダーのデータシート値
λ波長λ = c / f(c = 299,792,458 m/s)。920 MHz で約 0.326 m
EIRP等価等方輻射電力EIRP = Pt − Lc + Gt(dBi 基準)

Friis 伝達式は遠方界(おおむね d > 2D²/λ、D はアンテナの最大寸法)で成り立つ式です。1 m 未満の結果は参考値として扱ってください。

4. 日本の出力上限(920MHz 帯 移動体識別用)

区分周波数空中線電力送信空中線の絶対利得 / EIRP
構内無線局(免許局・登録局)916.7〜920.9 MHz1 W(30 dBm)以下6 dBi 以下。EIRP が「6 dBi のアンテナに 1 W を加えた値」= 36 dBm 以下なら、その低下分を利得で補える
特定小電力無線局916.7〜923.5 MHz250 mW(24 dBm)以下。EIRP が 27 dBm 以下の場合は 500 mW(約 26.99 dBm)以下3 dBi 以下。EIRP が 27 dBm を超える分は利得を減じ、27 dBm 以下なら低下分を利得で補える(実質 EIRP 27 dBm 以下)

出典(取得日 2026-10-21): 総務省 電波利用ポータル「920MHz帯の無線局の利用」表4 https://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/system/ml/920mhz/index.htm / 無線設備規則 第49条の9 第1号ロ・第49条の14 第6号ロ(e-Gov 法令検索)https://laws.e-gov.go.jp/law/325M50080000018

ご注意:このツールは EIRP を「出力 − ケーブル等の損失 + アンテナ利得」で計算します。ケーブル損失を差し引いてよいかは、無線設備の工事設計・技術基準適合証明の条件によります。ケーブル損失を含めない値(出力 + 利得)で上限を超える場合も注意として表示します。登録局・特定小電力無線局は適合表示無線設備(技適品)の使用が必須で、技適を取得した組合せ(リーダー・アンテナ・ケーブル)以外では使えない場合があります。申請や構成は必ず一次情報と機器の認証条件で確認してください。

5. ケーブル損失

ケーブル損失は「1m あたりの損失 × ケーブル長 + コネクタ・分配器などの追加損失」で計算します。1m あたりの損失には、使用するケーブルのデータシートにある 920 MHz 付近の減衰量を入力してください(dB/100ft の値は 30.48 で割ると dB/m になります)。入力した値は周波数で換算せず、そのまま使います。既定値の 0.25 dB/m は仮定値です。

6. タグ IC の読取感度

IC読取感度出典

7. 環境係数(仮定値)

環境経路損失指数 n追加損失(片道)想定

環境係数は公的な規格値ではなく、当社がシミュレーション用に置いた目安(仮定値)です。実環境では床・壁・金属棚の反射でマルチパスが起き、読取距離が伸びる場所と途切れる場所(ヌル)が生じます。

計算どおりに読めるか、実機で確かめませんか。シェン・ヒーローは海外 RFID メーカーの正規代理店として、日本の電波法・技適に合う機器の選定と読取試験(PoC)をお手伝いします。

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