RFIDリーダー電波出力の比較技法

03.07.2019
Expert article

様々なRFIDリーダーの電波出力の比較方法

見積や提案の依頼をする方々はRFIDリーダーの電波出力についてよく質問されます。この話題はお客様との議論においても多くあります。どのように異なる表示方法で比較するかは明確ではありません。

異なるRFID出力の表現方法の意味と、どのようにそれが利用されるかを説明します。

RFIDの電波出力はリーダーの性能を表示するために重要ですが、それだけではない点に注意しなければなりません。簡単に言うと、アンテナからのより高い出力はより遠くのタグを検知することを意味します。単に遠くまで読み取ることが目的の場合、これはよいことです。しかしながら、電波出力だけがリーダー性能のすべてを表すというわけではありません。例えば、どれくらい遠くのタグをリーダーが感知するかという受信感度を説明しません。更に、方向感度などの説明なくして、リーダーの読取速度またはタグの読取能力も説明しません。

一般的に電波出力の表示方法には、ミリワット(mW)およびデシベル(dB)の2つの方法があります。異なるデシベル数字タイプが比較される場合、更に複雑になります。正しく表示されている場合問題ありませんが、よく間違えることがあります。

読取距離の決定方法

例:他のものが等しい条件の場合で、どちらのリーダーがより遠くのタグを読み取れますか?

30dBm (1.0W) ERPのリーダー
または
32dBm (1.6W) EIRPのリーダー。
(下部に答えがあります。)

デシベル(dB)は対数関数的スケールで2つの数字の関係を表します。

0dB: x=1*y
3dB: x=2*y
6dB: x=4*y
10dB: x=10*y
20dB: x=100*y
また
-3dB: x=y/2
-10dB: x=y/10

RFIDリーダーの出力が議論されるとき、dBはそのままのdBではなく、dBm、dBiなどと表現します。dBの後の文字は何と比較されるかによって決まります。例えば、3dBiのアンテナは主方向に等方基準アンテナの2倍の出力を発します。dBiの「i」は完全無指向性アンテナ/等方性基準アンテナを表します。

RFIDリーダーの電波出力は2つの構成要素からなります。アンテナへの電波出力とアンテナ利得です。アンテナ(RF電力)に入る電力は、通常mWまたはdBmで表現されます。この場合、dBmは1mWと比較した電力を表現します。以下の表はdBmとmWの関係を説明します。

他の構成要素、アンテナ利得は異なる基準アンテナと比較されます。

  • dBiは等方性基準アンテナと比較された利得を表します。
  • dBdは基準ダイポールアンテナと比較された利得を表します。
  • dBicは基準等方性円偏波アンテナと比較された利得を表します。

dBiLが使用されていることもあります。これは基準直線偏波アンテナを参照しますが、dBiとの関係は明白ではありませんし、dBiLを使用することは推奨しません。 確立した基準アンテナとのはっきりした関係があります。

  • ダイポールアンテナは、理想的な等方性アンテナよりダイポールから90度の角度に放射します。0dBd = 2.14 dBi。
  • 等方性円偏波アンテナは、タグアンテナが線形の場合、極性のミスマッチにより円偏波方向で出力を失います。結果 0dBic = -3 dBi

ヨーロッパの法律では、電波出力制限はダイポールアンテナに関して記述され、その方法としてERP (Efficient Radiating Power、実効輻射電力)が使用されます。
例:電波出力27dBm (500mW) および5dBiのアンテナ利得ERP = 27dBm + 5dBi -2.15 =~ 30dBm (1.0W)

アメリカの法律では、EIRP (Equivalent Isotropical Radiated Power、実効等方輻射電力)が使用されます。電力は等方基準アンテナと比較されます。上記の同じリーダーとアンテナでは、(電波出力27dBm (500mW)と5dBiのアンテナ利得) EIRP = 27dBm + 5dBi = 32 dBm (1.6W)

初めに提起された問題を覚えていますか。質問は、他のものが等しい場合では、どちらのリーダーがより遠くのタグを読み取れますか? 30dBm (1.0W) ERPのリーダーまたは32dBm (1.6W) EIRPのリーダーでした。 答えは、1W ERPのリーダー出力は、1.6W EIRPのリーダー出力と同じです。

公式:

ERP(dBm) = (RF出力(dBm)) + (アンテナ利得(dBi)) -2.15dB

これは上の表を使用してmWに変換できます。

EIRP(dBm) = (RF出力(dBm)) + (アンテナ利得(dBi))

これは上の表を使用してmWに変換できます。

dBi = dBic - 3dB (RFID)

dBi = dBd +2.15dB

いくつかの例:
250mWの出力、アンテナ利得3dBi
250mW =24dBm
ERP =24 dBm + 3dBi -2.15dB =~ 24.85dBm (305mW)
EIRP =24 dBm + 3dBi = 27 dBm (500mW)

500mWの出力、アンテナ利得6dBic
500mW =27dBm
ERP =27 dBm + (6dBic -3dB) -2.15dB =~ 28dBm (630mW)
EIRP =27 dBm + (6dBic-3dB) = 30 dBm (1W)

400mWの出力、アンテナ利得4dBi
400mW =~ 26dBm
ERP = 26 dBm + 4dBi -2.15dB =~ 28 dBm (630mW)
EIRP = 26dBm + 4dBi =30 dBm (1W)

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